百円の新婚旅行

昭和36年(’61)

ブーケにベールは従姉が用意してくれた。
              久野 真 (1921〜1998)

       『東海散歩 「百円の新婚旅行」の文中の一部』 

 「名古屋を中心に、ワガママ文化は育たないものだろうか。スペインのバルセロナや、 イタリアのミラノのように、マドリードや東京にない世界中を震撼させる文化を築くのは夢ではない。我々青年が耐えて十年ワガママを通せばのことである。 新婚旅行は、これから名古屋駅へ行って時間表と値段表をしらべ、百円以内で行けるところにします。理由は、何べんでもいけていつも 新婚の新鮮さが味わえると思うからです。ではといって、祝福する人々の群れから発って行った吉兼三丸君という青年画家と、その花嫁の旅行先は定光寺だった。 三三九度を否定して結婚した彼らのこのさわやかなワガママは、いつの日にかすばらしい作品となって、かえってくるに違いない。


 


皆さんとお別れして、30メートル歩いた所に、久野先生もよく行かれた、広小路の屋台三平で、私が手にしていたブーケが、お酒に変わった。三平のおばさんにブーケを屋台に飾ってと差しだすと、おばさんが、まずは掛けた 掛けた、カンパイ カンパイでした。二人が最初に入ったのが屋台でした。